今回の特集はウラル・ジャパンの「ブラドさん」と、シーシャやシーシャフレーバーの輸入販売をしている「オレグさん」という外国人経営者のお二人にモデルとして出演をいただいた。外国から来日し、日本市場に自国製品を販売している挑戦者たちだ。
 
 

ボリヒン･ブラジスラーフ
（通称ブラド)さん
 
ロシア連邦ウラジオストック生まれ。幼少期から空手や剣道などの武道を通して、日本の文化を一身に吸収。10代のころからモーターサイクルに熱中し、日本製オフロードバイクを乗り継ぐ。在ウラジオストク極東連邦大学の日本語学部を卒業後、2012年から日本に在留。現在「ウラル・ジャパン」のCEOを務めながら、モデルや俳優としても活躍中。フィリピン武術「カリ」と「沖縄剛柔流空手道古武道」の武道家でもある。
 
 

オレグ･カライダ
（通称オレグ)さん
 
ウクライナ出身の演奏家、作曲家、音楽プロデューサー。ウクライナ国立音楽院在学中から、音楽活動を開始。人気スター歌手と多数共演し、テレビ番組をはじめ、ショービジネス界で幅広く活躍。2016-2023年、USJでヴァイオリニスト･パフォーマーとして出演。2017年には「IAPPA BRASS RING AWARD」ストリートパフォーマンス部門で世界1位を獲得。現在、「Global Hookah Japan株式会社」を設立し、シーシャおよびシーシャフレーバーの輸入販売を行うと共に、プロヴァイオリニストとしても活躍中。
 
 

 
 
― 編集部
お二人とも日本語がお上手ですが、そもそもお二人はなぜ日本に来られたのですか？

― ブラド
私はロシアのウラジオストック生まれなのですが、現地で空手や剣道を習っていて日本に興味を持ち、大学で日本語を勉強していたのです。その後、大学を卒業して11年前に研修生として富山に来て「欄間の木彫り」を学んでいました。
でも長期ビザが取れなくて木彫りが続けられなくなり帰国した際に、「ウラル・ジャパン」に誘われ入社することになり、再度日本に来たのです。当時は福井に拠点があったのですが、ほとんど売れていなくて赤字の会社でした 。
でも働き始めて1年半ほどたった頃にアメリカ本社に呼ばれ、社長に日本市場はウラルにとって有望ということを説明したところ、テコ入れすることになり大阪にショールームを構え、私が日本の社長を引き受けることになったのです。
そして少しずつディーラーネットワークを広げたり、イベントに出展したりして知名度を上げていきました。それでようやく日本での販売台数も増え2年後に黒字になり、なんとか軌道に乗ったのです。

― オレグ
私が日本に来たきっかけは「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で働きたかったからです。
私の住居の近くに「ウラル・ジャパン」があってブラドさんと友達になったのですが、コロナで飲食店の営業が厳しくなったときに、日本で「水タバコ」が流行りだしてきたのを知ったのです。ところが、日本で吸われている「水タバコ」の品質があまり良くないことを知って、ビジネスチャンスがあると思いました。
「水タバコ」はウクライナやロシアでは一般的で、現地では「シーシャ」と呼ばれていますが品質がとても良いのです。また私の弟が現地でプロのシーシャ・プレイヤーとして活躍していますので、彼とも相談して日本にシーシャ文化を広めようと考えました。
実際、シーシャはとてもリラックスできますし、体にもそれほど悪くないのです。またとても奥が深い文化ですから、正しい吸い方を日本に広めていきたいのです。
だから特に品質の高い吸引器(カルマ)やフレーバー(セベロ)を輸入して日本に紹介しています。
 


― 編集部
なるほど、よく分かりました。では日本で経営していく中でお二人が方針としていることや大切にしていることがあれば教えてください。

― ブラド
私は挑戦的にやることが大事だと思っています。
皆と同じ事をやろうとしたら成功は難しいと思います。誰もやっていない事、誰もやっていないやり方にチャレンジすれば、成功のチャンスがあると思います。
もちろん成功しないかもしれませんが、やってみないと分かりませんからね。それとビジネスには波がありますから「落ち込まない」「諦めない」ことだと思います。だから私はストレスを溜めないために、毎日欠かさず「武術」の稽古をして、気持ちを切り替えています。なのでどんなに忙しくても毎日道場に通っています。
道場から帰ると、すっかり気持ちが落ち着き、仕事の悩みを解決してくれますからね。やっぱり切り替えが大事です。じゃないとストレス、ストレスで全部ダメになっちゃいますよ。頑張りすぎて、ハイ限界～では困りますからね（笑）だからどんな厳しいときであっても、1日に5分だけでも楽しく過ごすことが大切だと思っています。
 

 
― 編集部
なるほど、ウラルと同じで、だから荒れ地でも諦めずに走り続けられるんですね。オレグさんはどうですか？

― オレグ
私は2016年に初めて日本に来て驚きました。日本のシーシャはウクライナのシーシャ文化から10年以上遅れていたのです。
な ので、2020年に言葉の壁を越えて、日本語でシーシャについてのYouTubeチャンネルを初めました。そのチャンネルで多くの商品のレビューや海外のシーシャ文化などを紹介したことで、興味を持った日本の方々から多くの信頼を得ることができました。そこで、一番品質が良いシーシャを輸入することにしたのです。
でもこのところの円安によりビジネスが厳しくなりました。しかし諦めないことが大事です。これから日本のシーシャ市場はもっと伸びると思っていますから、やりがいがあります。
ただ頑張りすぎないのも大事ですね。だからやっぱりバランスが重要だと思っています。毎日のオンとオフの切り替えを大切にしています。

― ブラド
ウラル・ジャパンも、円安やロシアへの経済制裁で生産拠点をカザフスタンに移転したりして苦労していますが、ビジネスがスムーズにいくことはありませんからね……。
でもチャレンジして逆に乗り越えたら自分も会社も強くなりますよ。また自分がやっていることが好きなことが大事だと思います。お金儲けだけじゃないですよ。
人間関係が大事だし、商品を売るにしても物だけでなくてライフスタイルの提案や考え方も提案するというのが大事ですよ。
だから自分のお客さんの人生を少しだけでも良くしてあげられたらいいなと思って仕事をしています。そしたら絶対人間関係も良くなりスムーズにいきますよ。どんなに才能があってプロであっても態度が悪かったり、ちゃんと話ができなければ人間関係が作れないのでビジネスは無理ですよ。
ビジネスだけでなく何でも助け合いです。みんなと一緒にアップしていくことが大事だと思っています。
 
― 編集部
なるほど。ホントにおっしゃる通りですね。では最後にお二人から読者にメッセージをください。

― ブラド
とにかく毎日楽しく過ごしましょう。
人生に楽しさが無かったら何の意味も無いですよ。嫌な仕事に行って、疲れて、愛していない嫁の所に帰って……。僕はそんなのは理解できないですよ。やっぱり仕事も楽しくて、嫁にも「愛してるよ!」って言える方がいいですよ。仕事も好きになってパッションも入れないと! そして家族への愛情を現してほしいと思います。
これは当たり前に思えるけど全然当たり前じゃないと思いますよ。僕はどんな方にも前向きに毎日を過ごしてほしいと思いますね。

― オレグ
私は自分の責任ということが、分かっていることが大事だと思います。
まず健康を保つことが一番重要です。ですから私は毎日筋トレをしていますが、自分の体調が管理でき元気だったら、仕事も人生も上手くいきます。元気でなかったら上手くいきませんね……。無理しないことですよ。
でもこれは健康だけのことではなく、本当は責任の話です。自分の健康も体調もメンタルも誰の責任でもなく、自分の責任なのです。それが分かれば体もメンタルも仕事も上手くいきます。それが基本です。
読者の皆さんにも「責任」という言葉をもう一度考えてみて行動してほしいと思います。

― 編集部
今回の対談ではお二人の考え方が良く分かりましたし、心に響く言葉も多くて、とても有意義な時間になったと思います。また遠方から長時間にわたり撮影にご協力頂きありがとうございました。

― ブラド･オレグ
こちらこそ、色々なファッションやマリーナが楽しめて素晴らしい体験になりましたよ。ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。