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経営者を着こなせ


 
今回の特集は「クールレーシング」や「ブラーバ」でお馴染みのクールホールディングス代表取締役「片岡孝裕」さんにモデルとして出演していただいた。また特別インタビューとして、40歳で独立し十数年で年商100億に迫る企業グループを構築してきた足跡や、経営者としての拘りなどを伺った。既に経営者の方も、これから経営者を目指す方にとっても、きっと参考や刺激になるはずだ。今回の特集記事をきっかけに、貴方も「経営者を着こなせ!」にぜひ挑戦してみてほしい。
 
 

株式会社クールホールディングス 代表取締役
片岡 孝裕
 
昭和45年三重県生まれ
製薬会社営業職、車買取アップルの社員を経て独立
現在、株式会社クールホールディングスの代表取締役を務める
グループ企業5社を含めた連結売上は95億円(2021年度)を誇る
自社のYouTubeチャンネル「KUHL Racing TV」にも出演中
 

 
― 編集部
片岡社長はお忙しいとは思いますが、オフタイムの時はどんな風に過ごされていますか?以前はゴルフやスキーもやってらっしゃったと伺いましたが、今はどうですか?

― 片岡
実はここ何年も休みが無いので、そもそもオフタイムが無いんですよ……。昔はゴルフをよくやっていましたが、もう5年ぐらいやってないですね。まあスコアは90を切るぐらいですから、そんなに上手くはないですけどね(笑)
でもスキーは小学校3年生ぐらいからやっていましたから結構な腕前ですよ。特に学生の頃はスキーのプロショップでアルバイトしていたぐらい、スキーに熱中していましたね。だから白馬や木曽福島のスキー場にはよく通っていました。でも残念なことにスキーもここ何年も行ってないんですよね……。
 


― 編集部
では、そうなるとオフはやっぱりドリフトですか?

― 片岡
そうですね、ユーチューブ撮影も兼ねてドリフトをやっているときが結局オフって感じかなぁ~。

― 編集部
そもそもドリフトはいつ頃から始められたんですか?
 
― 片岡
会社員のころにレーシングカートを始めたんです。レースにも出場していたのですが、日曜日が仕事になってしまってやめざるを得なかったのです。それで代わりにドリフトを始めました。ちょうど、副業でドリフトカーショップを始める前でしたが、結構面白くてハマりましたね(笑)

― 編集部
今はどこでドリフトをやられているんですか?

― 片岡
モーターランド三河か富士スピードウェイのマルチパーパスですね。そこでカメラマンにドリフトを教えるという番組動画を撮影しています。それをユーチューブで公開しているんですよ。
 
― 編集部
それは面白い企画ですね~。私も今からドリフト覚えたいな~(笑)

― 片岡
一度、番組を観てみてください。ぶつけたりもしていますから結構面白いですよ(笑)
ですからドリフトをしながら番組を撮影している時は本当に楽しんでいますね。これが私のオフタイムの過ごし方っていうことでしょうか……(苦笑)
 


― 編集部
そうですか、良く分かりました。ありがとうございます。ぜひ一度、番組を拝見いたしますね。
では次にオンタイムというか、経営者としての足跡や経営に対する拘りなどを伺いたいと思います。
 
片岡社長はクールレーシングを設立する前はどんなお仕事をされていたんでしょうか?
 
― 片岡
若いときはMRと呼ばれる薬の営業マンをしていました。でもクルマが大好きで自分のクルマをチューニングして楽しんでいました。それでクルマ屋さんに出入りを重ねているうちに、クルマ屋さんをやってみたいって思い始めたのです。その後、薬の営業マンを辞めて、クルマの買取チェーン「アップル」に29歳で転職したんです。

― 編集部
当時はどんなお車に乗っていらっしゃったんですか?
 
― 片岡
RX-7が好きでFCやFDに乗っていました。それとスキーも大好きだったので、同時にGMCタイフーン等のアメ車やハイラックスサーフなども持っていましたね。
 
― 編集部
本当にクルマがお好きだったんですね。それでアップルには社員として入社されたんですか?
 
― 片岡
はい、普通に10年ぐらい社員として働いていましたよ。でも35歳のときに副業としてドリフト車専門店を愛知県の豊明市で始めていました。その後40歳で完全独立したのですが、その時に現在のクールレーシング名古屋店を始めました。だから当初から2店舗で開業したということになりますね。
 

 
― 編集部
私が知る限り、ディーラーを除いて複数店舗で成功しているクルマ屋さんは極めて少ないと思うんですけど、その秘訣って何でしょうか?
 
― 片岡
私は愛知県で最大4店舗まで増やしたのですが、その時に一斉に店長クラスが辞めてしまったのです。当時はメカニックも営業マンも採用が難しい上に、店長クラスまで辞めてしまって困り果てました。そこで考えを変えてユーチューブで私が直接クルマを売ろうと決めたのです。
 
― 編集部
それは何年ぐらい前ですか?
 
― 片岡
そうですね、もう6年ぐらい前になりますかね。
 
― 編集部
それで経営が上手くいったということですか?
 
― 片岡
そうです、ユーチューブの動画を1本あげると、お客さんがすごくクルマを買いに来てくれたのです。当時はクルマを解説しながら、という番組が全然無かったのでバズりましたね。更に言えば、関東地区に出店したくて、埼玉店を出したのですが、ユーチューブで社員を募集したらたくさんの応募があったんです。それで人の採用に困らなくなりましたね。
 
だから、その次の出店の時にもユーチューブを使いながら採用していくというやり方を続け、結果的に次々と出店できるようになったんです。だからユーチューブの活用は大きかったですね。ちなみに大阪出店の時は200人、福岡は100人の中から社員を選べるほどでした。なので、良い人材が採用できましたね。
 

 
― 編集部
それはすごいですね。もう求人サイトの必要ありませんね(笑) ところで、店長クラスがお辞めになった理由は何だったんでしようか?
 
― 片岡
当時、私がメチャクチャ厳しかったからでしょうね(笑)。それと国内でなかなか店舗展開できなかったので海外に大口の商談をしに行っていましたので、月の3分の1ぐらいは留守にしていました。だから内部の管理や統率が取れず目が行き届かなかったというのもありますね。
 
― 編集部
では今はもう新しい人材も採用できているし、管理も上手くやれているということなんですね?
 
― 片岡
実はもう一つ、改めた事があります。業界経験者を採用するのを止めたのです。どうしても業界経験者は自分のやり方ができあがっていて、ウチの方針に合わなかったりして、長く続かないケースが多いのです。
 
なので新卒採用を中心にして、一から教えていこうという方針に変えました。それと新規店舗をオープンする際には現地採用をするという事にもしました。それで全体的に社内が安定してきましたね。
 
― 編集部
採用のときにはどんなところを基準にしているんでしょうか?
 
― 片岡
以前はバリバリ売れるような営業マンタイプを採用してきたのですが、今は性格の良さそうな人を採用しています。要するにお客様と長くお付き合いできるような誠実で優しい感じの人ですね。業界を変えたいというのもあって、やんちゃな感じの人は採用していません。
 
それと基本的に20代の人を採用しています。もちろん育てるのに3年ぐらいはかかりますから、会社としては負担ですが、そこは辛抱ですね。でも新卒採用でもう店長になっている人も実際いますから、良かったと思っています。
 
― 編集部
そうですか、驚きました。性格が良さそうな人を採用しているとは。
 
― 片岡
ただ「押し」が弱いところはありますね。 (爆笑)
 
― 編集部
でもそこは社長が新製品を考案したり、「ブラーバ」ブランドも立ち上げたりして企業力を高めて補っていくということなんですよね。
 
― 片岡
まさにそのとおりですね。
 

 
― 編集部
ところで、今は人員も在庫車も多いと思うんですが、そもそも創業時の開業資金はどうされたんですか?
 
― 片岡
私が創業したときの開業資金は僅か300万だったんですよ。でも「イニシャルD」が流行っていて時代も良かったので、ドリフトカーがよく売れたのです。 それとウチの場合は他のお店と違って、製造部が強くてエアロも自社製造できるのが強みなのです。
 
製造工場と塗装工場は全部で5箇所ありますが、デザインからCADデータを起こして、3Dプリンターでモデリングして、車にフィッティングして型を作るまで、全て自社でできますからね。真空成形機や真空注型機などの設備も導入していますから、頑張っていけばメーカーOEMもできるんじゃないかと思います。
 
― 編集部
全部できるのはすごいですね。となると、その先にあるのはどんな目標なんでしょうか?
 
― 片岡
とりあえず全ての県に店舗を作りたいですね。店舗は小型店になりますが全て直営店舗です。これから年間5店舗はオープンさせていきたいというのが目標です。
 
― 編集部
エアロや「ブラーバ」にも益々力を入れていかれる予定ですか?
 
― 片岡
ブラーバは結構、開発が大変ですから1年に1台ぐらいですけど、エアロは月に1つぐらいは新製品を出していますね。だから開発力には自信がありますよ。
 
― 編集部
ブラーバは素晴らしい企画だと思うのですが、片岡社長のデザインですか?
 
― 片岡
ブラーバのデザインはデザイナーと私とで創り上げています。本当はもっとミリタリー色を出す予定でしたが、ウクライナ戦争が起こってしまったので「近未来」という方向に急遽変更したんですけどね……。
 
― 編集部
なるほど、そうでしたか。ブラーバほどの事をやろうとするカスタムショップは、ほとんどありませんから私達も本当に楽しみにしています。
 
― 片岡
私はクルマが好きですが、ノーマルには興味が無いんですよ。やっぱりカスタムしてカッコよくするのが大好きなのです。そこが私の原点となっていますね。
 
― 編集部
ドリフトもやられていたとのことですが、ドリフト車の方はいかがですか?
 
― 片岡
はじめはドリフトショップをやっていたので、ドリフト車のすごいのを作っていましたよ。そのクルマに乗ってD1に出場しようと思っていましたからね。でも新車をベースにカッコいいカスタムカーを作ってオートサロンに出展したら賞が取れたのです。だからカスタムの方がビジネスになると考えました。なので今はドリフトカーに力を入れていませんね。
 

 
― 編集部
最後に片岡社長が経営者として大事にしていることがあったらぜひ教えてください。
 
― 片岡
やっぱり、お客様第一主義ってことですね。お客様を裏切らないように、エアロも高品質じゃないといけないし、長く付き合っていただけるように価格も頑張らないといけません。そしてもちろん接客も大事ですよね。 私はそういう理念を持ちながらクールレーシングを各県に店舗展開していき、日本中にクルマ好きを増やしていけば、カスタムしたいと思うような方々がもっと増えていくと思っています。それが私の目標ですね。だから毎日仕事ばっかりしているんですよ(笑)
 
― 編集部
その考えには我々も全く同感です。国内ではクルマ離れが言われていますが、本来はクルマって楽しいモノですからね。ぜひこれからも一緒に業界を盛り上げていきましょう。今回は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
 
― 片岡
こちらこそ、ありがとうございました。 これからもどうぞよろしくお願いします。
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